Bizコンパスの人気記事をアクセス数順に紹介する「Bizコンパス 月間アクセスランキング」。今回は7月のアクセスランキングを発表します。Bizコンパスのアクセス数1位となったのは、どの記事だったでしょうか?
1位に輝いたのは、パソコン上で人間が行う様々な事務処理を記憶し、人間に代わって実行するソフトウェアロボット「RPA」の効果について解説した「97%の企業が業務を5割削減、『RPA』の効果とは」(6月25日公開)でした。本記事は、100以上のクライアントでの1,000以上のRPA導入を指揮した実績を持つ、アビームコンサルティング株式会社の安部慶喜氏です。
RPAとは「Robotic Process Automation」の頭文字を取った略語で、簡単にいえば、人間が指定した作業を、24時間365日、黙々と遂行するロボットのことです。そもそもロボットなので「残業」という概念はありませんし、正しい作業手順を指定すれば、間違いも起きません。任せられる仕事をすべてRPAに実行させることで、人間は人間にしかできない高度な業務にシフトしていくという働き方が可能になるというわけです。
すでにRPAを導入している企業は多く、アビームコンサルティングが日本RPA協会、RPAテクノロジーズ社と実施した独自調査によれば、2017年の導入実績件数は458件、問合せ件数は6,468件にのぼっているといいます。しかも、導入完了までの期間も短く、64%の企業が、業務ヒアリング~導入完了までの期間はわずか「1カ月以内」で済んだといいます。
同調査ではさらに、導入企業の97%が、対象業務の5割以上の業務工数削減を実現したといいます。さらに、このうち半分近くの企業が、RPA導入によって、業務の“完全自動化”を実現しています。まとめると、RPAを導入した企業のほぼ100%が、大幅な業務削減に成功しているというわけです。
RPAは一体、人間の仕事をどのように自動化しているのでしょうか? そして、RPAではどのような仕事の自動化に向いているのでしょうか? 現在「働き方改革」に取り組んでいる企業に務めている方は、本記事を一読してみてはいかがでしょうか。
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BizコンパスではRPAだけではなく、AIやチャットボット、クラウドERPで働き方改革に取り組む方法を紹介した記事も掲載しています。合わせてご覧ください。
・事例で解説!RPA、AI、チャットボット導入の勘所
・どうしてクラウドERPが「働き方改革」に有効なのか
2位には、SaaS型クラウドERPを提供する国内大手ベンダー、インフォアジャパンに、クラウドへ移行することのメリットや、移行の際に失敗しないポイントを聞いた「インフォアジャパンが示すERPクラウド化のカギとは」(6月29日公開)でした。
本記事で取り上げられている、オンプレミスのERPと比較したクラウドのERPの特徴の1つが、「スピード」です。たとえば、伸び悩む市場を縮小し、新たな市場に打って出るような、ビジネスの変化に迅速に対応できるフレキシビリティやスケーラビリティは、オンプレミスにはない、クラウドERPならではの特徴です。
オンプレミスのERPのデメリットとしては、国内外のグループ企業全体で単一の情報システムを利用する「グローバルシングルインスタンス(GSI)」に限界がきている点があります。1つの基幹系システムをグローバルで使用する場合、オンプレミスであれば、アップグレードの際に数日間システムをダウンさせる必要があります。しかし、全拠点のビジネスを止めずにアップグレードを行うのは至難の業です。
さらにいえば、今年5月からGDPRが施行されたことにより、EU域内の個人データは、EU域外には持ち出せなくなるため、本社がすべての統制を行うGSIは成立しなくなります。北米や欧州などで個別にERPを運用する必然性が出てくるため、結果的に、複数のクラウドサービスを利用するマルチクラウドの対応は、避けて通れなくなっています。
こうした背景もあり、インフォア社では早くからSaaS型クラウドERPソリューションを世に送り出しています。その1つが、大規模組み立て製造業向けSaaS ERP「Infor CloudSuite Industrial Machinery」(以下、CSIM)です。CSIMでは、AWS(Amazon Web Service)と協業することで、初期投資が大幅に削減できたといいます。しかし、CSIMを開発するに当たっては、ある大きな問題があったといいます。
インフォア社はCSIMを開発する際に、どのような問題に直面したのでしょうか? そして、その問題を克服したCSIMは、企業のどのような問題を解決できるのでしょうか?インフォアジャパンが示すERPクラウド化のカギを、本記事で確認してみてください。
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第3位は、企業がこれから採用すべきマーケティング戦略について、コンサルティング会社である株式会社ビービッドの宮坂祐が解説した「マーケティングは『ファネル』から『ジャーニー』へ」(7月18日公開)でした。連載「いま求められる“顧客接点の強化”」の第6回目に当たります。
企業が自社の商品について大勢の人に興味を持ってもらうためには、従来はテレビCMを打ち、興味を持った人が購買行動に至るという、いわゆる「ファネル型」モデルと呼ばれるマーケティング手法が主流でした。
しかし現在は、インターネットやスマートフォンなど、メディアが分散しており、従来のマーケティング手法では十分な成果が得られなくなりつつあります。宮坂氏は、これからのマーケティングモデルについて、顧客の生活に寄り添いつつ、顧客との接点(タッチポイント)を作ることで、商品が売れやすくなる土壌を作る“ジャーニー型”に変えていくべき、としています。
こうしたジャーニー型のマーケティングで先行している国の1つが中国です。宮坂氏は中国におけるジャーニー型マーケティングの成功例として、「平安(ピンアン)」という金融機関が提供しているスマホ用アプリ「平安グッドドクター」を挙げました。これは、ユーザー側が「平安ポイント」という独自のポイントを支払うことで、平安が選別した医者に対し健康相談ができるというものです。ポイントはウォーキングなど健康につながる活動をすることで加算されます。
平安がこのサービスで本当に狙うものは、ユーザーデータの取得です。たとえばあるユーザーが「息子が病気になった」と医者に相談すれば、その内容を平安側が把握し、営業担当者がそのユーザーに対し「お加減はいかがでしょうか」「保険の支払いの対象になります」といった形でアプローチをするというものです。つまり、アプリを使って顧客との接点を作り、そこで得たデータを共有することで、オフラインの活動につなげるということです。このような取り組みは、オンラインとオフラインを分けず、一体のものとして捉える「OMO(Online Merges Offline)」と呼ばれています。
記事ではこれ以外にも、さまざまなマーケティング手法が取り上げられています。「今までのやり方が通じない」と悩んでいるビジネスパーソンは、きっと本記事が助けになるはずです。
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4位は、今までの手法では対応できない悪質なサイバー攻撃の防ぎ方を紹介した「悪質化するサイバー攻撃に対する新たな対策とは」(7月13日公開)でした。
サイバー攻撃の悪質化は日に日に進行しています。たとえば、偽のWebサイトでIDやパスワードを入力し、それらの情報が盗まれてしまう「フィッシング攻撃」も、現在ではWebサイトにアクセスした瞬間にマルウェアがダウンロードされ、PCがウイルスに感染するというケースもあります。
最近では、仮想通貨の発掘作業のために、感染したPCのリソースを不正に使う「クリプトジャッキング」という攻撃もあります。この攻撃を受けることで、CPUの負荷が異常に高くなったり、スマホであれば本体が熱くなり、バッテリーが無駄に消費されてしまうケースもあります。
このように次々登場する未知のサイバー攻撃に対抗するためには、まずは自社の状況を把握することが求められます。システム構成や運用体制、導入しているツール、社内で使われている端末などを調査し、その上で脅威を予測できるソリューションの導入を検討していくのが正攻法です。
とはいえ、せっかくセキュリティソリューションを導入したとしても、自社で適切に運用できるかどうかは別の話です。情報システム担当者が足りなかったり、そもそもセキュリティ担当者がいないといった企業では、せっかく導入したソリューションも機能しないでしょう。
本記事ではそうした企業でも導入できるセキュリティソリューションとして、新種のマルウェアやランサムウェアに対応でき、PCだけではなくスマートフォンでも利用できる「マイセキュア ビジネス」が紹介されています。なぜマイセキュア ビジネスは、未知の驚異にも対応できるのでしょうか? その秘密は“フルクラウド”にあります。ぜひ記事を見て、その秘密を紐解いてみてください。
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第5位も、第4位に続きセキュリティ記事となります。IoTに潜むセキュリティのリスクと、その防ぎ方を取り挙げた「IoT普及によりセキュリティ対策はどうすべきか」(7月6日公開)でした。
あらゆるモノをネットワークにつなぐIoT(Internet of Things)は、すでに現代の生活に浸透し始めています。Google HomeやAmazon Echoといったスマートスピーカーでは、家庭内の家電が操作できますが、これもIoTの技術が可能にしたことのひとつです。
しかし、IoTの普及は、同時にセキュリティ面での驚異を増やすことにもつながります。たとえばPCでは、脆弱性の解消といった目的でOSをアップデートしたり、ウイルス対策ソフトをインストールすることで、セキュリティレベルが高められます。しかしIoTでは、OSやアプリケーションがアップデートされないケースが多く、そもそもウイルス対策ソフトも販売されていません。
最近では、「Mirai」と呼ばれる、ホームルーターやネットワークカメラといったIoTデバイスを狙うマルウェアが話題となりました。Miraiには60組分の初期設定のIDとパスワードが組み込まれており、そのいずれかがデバイスで使われていると、Miraiに感染してしまいます。この手法でMiraiは50万台のIoTデバイスを乗っ取り、さまざまなWebサービスにDDoS攻撃を仕掛けました。
Miraiで最も問題な点が、Miraiに感染したIoTデバイスの所有者が何も困らないことです。たとえ自宅のルーターやネットワークカメラにMiraiが感染したとしても、ユーザー自身に特に不都合はありません。そのため、対策もなかなか進まないという、困った事態が起きています。
しかし本記事によれば、IoTのセキュリティ対策は、ある3つのポイントを守るだけで、95%以上のリスクが回避できるといいます。その3つのポイントとは、一体何なのでしょうか?
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6位は、多くの企業で利用されているアカマイ社のCDN(Contents Delivery Network)サービスの裏側について、同社の担当者にインタビューを行った「アカマイが打ち明けるCDNプラットフォームの裏側」(7月20日公開)でした。7位は、RPAやAI、チャットボットなどを活用し、生産性の高い働き方を実現する方法を取り上げた「事例で解説!RPA、AI、チャットボット導入の勘所」(1月19日公開)でした。
8位は、夏のスーツの手入れ方法を、ファッションエディターの梶井誠氏がガイドした「スーツはクリーニングに出すべき?出さざるべき?」(7月12日公開)、9位は、「飲み過ぎ」「夜更かし」といった“ダメだと思っても、ついやってしまう習慣”を止める方法について触れた「やめたいのに、ついやってしまう習慣を手放すには?」(7月16日公開)でした。
10位は、本連載「月間アクセスランキング」の7月掲載分である「Bizコンパス月間アクセスランキング 2018年6月」(7月11日公開)でした。
8月はお盆休みを挟むため、他の月よりも営業日が少なくなり、結果的に残業が増えがちです。もし労働時間の長さに困ったら、1位で取り上げたRPAのようなテクノロジーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。